特別講演  「国民から見える職業へ」

日本放射線技師会 会長 熊谷 和正

於 平成15年 2月 組織研修会

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5単位修得された方をアドバンスド放射線技師という名前にしたい。
これは名刺にも書いていただきたいと思っています。アドバンスド放射線技師にならないと各種認定、
各種技能検定にはトライしていただけないようにしたいと思っています。
ただですねこれは特例期間がありまして、15年度いっぱいは大丈夫だということにしたいと思っていますが、
それはともかくアドバンスド放射線技師以上でないと各種認定、検定にはトライできないという形にしたいと思っています。
要するに俺はこういう分野でこういう仕事が出来るんだという前に、医療人として最低のものをマスターしていただきたい
というそういう心でございます。
それからアドバンスドの上にもうひとつ、我々は技師格というんですが技師の格付けですね。
ですから認定資格とかそういうものではないんですね。
技師格、アドバンスド放射線技師、アドバンスドというのはその字のとおりですね。前に進んだ、一歩進んだ放射線技師ということ。
アドバンスドの上にシニア放射線技師という技師格を設けています。
シニア放射線技師は基本的には学士号を持った人、4大卒の人。これは我々の職業に関係する学士ですよ。
学士を持った人以上をシニア放射線技師、それからシニアの上にマスター放射線技師を作りました。
これは基本的には博士、我々の職業に関係する博士号を持った人ということです。
ただですねそれに同等と思われる人という項目がありますのでマスターもシニアもですねみなさん奮ってそれにトライしていただきたい。
まずアドバンスドを取らなければシニアになれない、シニア持ってないとマスターになれないということなんですけども。
平成15,16年度についてはアドバンスドを飛ばして飛び級でいきなりシニアにいけるように特例期間を設けています。
それは現時点で15,16年度中の条件というのは学士を持っている人、それから認定制度3つありますね。
放射線管理士・機器管理責任者・臨床実習指導者の3つの内、学士を持っている人でも2つの認定を持っていないといけませんよ。
学士+2つの認定でシニア放射線技師に格付けいたします。
そうでない同等とみるというのは15,16年度中は学士を持っていない人でも認定を3つもっていればOKということにいたします。
17年度になるとだんだん厳しくなってきます。学士を持っている人はずっといっしょです。
学士持っていない人は年々厳しくなって認定の数が増えてきます。最終的に平成20年度以降は学士を持っていない人は
認定10個持っていないといけないことになりますので、かなり厳しくなりますので早めにお取りいただきたいと思います。
シニア放射線技師とはどういうものか?一応、今現在思っているのはいろんな学術大会の座長とか、シンポジストこれはシニア以上でないとダメだよと。
それから各都道府県技師会でいろんな研修会やりますね。その時にこれからは日放技のカウント制度、生涯学習システムのなかで
すべて認めていくということなんですけども、ただですねその時に講習の講師を1回やった時の、その時の講師の数が50%以上、
ですから2人の場合は1人でいいですが、3人講師がいる時は2人は放射線技師の人でないとその講習会についてのカウントは認めないとか、
ただその中で講師を務める放射線技師はシニア以上の放射線技師が務めた場合についてでないとカウントはつかない。
そういう形にしていきたいと思います。
それからもうひとつ、我々の職場での長ですね。部長・課長・放射線科技師長とかそういう立場ですね、そういう職域の長は
シニア以上の技師でないとダメですよと。会がダメですよと言ってもなかなか始まらないかもしれませんがそういう運動をしていきたい。
それからですね将来的にちょっと先の話しなんですけど、数年先の話しなんですけど今医師の臨床研修という制度が
大体落ち着きそうなところまで来ましたね。
もう喧々諤々だったんですが。その制度がですね、医者が落ち着いたら他の職種にもどうもきそうな感じなんです。
その時に今臨床実習というのをやっていますね学生が。それとは別に臨床研修、臨床研修というのは免許を持った人を
臨床の場で研修してもらうということなんですね。免許を持った人を指導する立場ですので、臨床研修教官みたいなものを
認定したいと思います。それはシニア以上でないとその資格にトライ出来ないという形にしたいと考えています。
シニアの上にマスター放射線技師というのを先程言いましたが、マスター放射線技師これは基本的に博士号を持った人だけ、
修士でもだめなんですね。ただ博士それと同等なものということで具体的な数字を言いますけども、
生涯学習システム3,000カウントを持っていれば分野は極めて限定されますけど、3,000カウント持っていれば
マスター放射線技師格は取れるんですけど。博士号持っている人は博士号持っているだけで3,000カウントということ。
博士号を持っていることが3,000カウントということですから、博士号持っていればそれでシニア放射線技師格を持っていれば
自動的にマスター放射線技師になれる。修士は1,500カウント、あと1,500カウント足りないから。
そのうめあわせは著書あるいは論文・著述ですね、著述以外のカウントは一切ありません。
学術大会に参加したからとか、勉強会に参加したからとかそういうことは一切認めません。著述のカウントというのはあります。
論文出したり、モノ書いたり、本を出したりそういうことがカウントの対象になります。
ちなみに本1冊自分がひとりで専門書出したら1,500カウント。修士の人が本1冊出したらそれでマスター放射線技師格が取れる
ということです。学士を持っている人は750カウント、ですからあと2,250カウントを、本・論文を出せばいい。
論文は自分ひとりで原著論文を書けば600カウントになります。足りないものはそういう形で取ってもらう。
学士も何もない人は3,000カウントを本出したり、論文、原著論文を一人で6本出せば一応マスター放射線技師格は取れる。
かなり厳しいですが数をどれだけ作りたいとかは考えていません。
一応アドバンスド放射線技師はできれば全員格付けに上がっていただきたいんですけど。それ以上は目標の数はありません。
これはどういうことか、将来の放射線技師をにらんでそういうことを考えています。
例えばマスター放射線技師になればどういうことにトライできるのかというと、これは専門放射線技師にトライできるということ。
専門放射線技師というのは、今ちまたに何かいくつかありますね。あれは消化管専門技師とかありますね、あれはさっき言いました
技能検定なんですよ技師会でいう。一番初歩なんですよ。技師として当たり前のことなんですよね。
例えばMR専門技師なんていうバカな言葉が聞こえてくるんですよ。CTの専門技師なんて、こんなもの作ったってちゃんちゃんらおかしいんですよ私は。
MR技師なんて作って何年もちますか。せいぜいもって10年ですよ。CT専門技師なんて威張ったところで10年もつかもたないかなんですよ。
CTの画像なんてこれからどんどん進んでいってどうなりますか?もう自動診断ですよ全部。我々は何に関与出来ますか。
そんな10年もつかどうかわからないものに胸張って専門技師なんて私恥ずかしくて言えないですよ。