特別講演 「国民から見える職業へ」
日本放射線技師会 会長 熊谷 和正
於 平成15年 2月 組織研修会
いよいよ本題に入ります。 まず物事の進め方というのは、何でも同じなんですが。そういうテーマを掲げた時ですね、そのテーマを実現するために 今現在それに対してどういう問題が存在するのか、問題点を洗い出すことが一番大事です。 その次に問題点がわかってくればその次にやるべきことはそれへの対応策を立てるということですね。 対応策が立てばそれを実践するということになります。そういう順序だと思うんですよ。 「国民から見える職業へ」というそういうタイトルを14年度も掲げましたけど、私ずっと役員をやってきましてね、 私の中にはそういう問題点として非常にありました。モノに書いたりしゃべったりする機会があればいろんなところで 出してきたつもりでおります。ですから私の中では会長になる前から問題点の洗い出しがされております。 頭の中でちゃんと、どういう問題があるんだろうかとか、まあその問題点をご紹介してまたみなさんの ご意見頂戴したいんですけど、私の中にはありました。 それに対してどういう手を打てば、技師会としてどういう手を打てばいいかということもずっと考えておりました。 とにかく私去年会長になりましたから、それまでに問題点それへの対応策すべて私の中で考えてきましたから、 代表者になったらそれを実践する段階に即入ったわけです。 それはですね実践するといってもこういう大きな組織になりますとその具体的な細目をきちっと表に出して 組織の中で機関決定しないといけない。みなさんと同じ共有意識を持ってもらうということを、まず役員の中からですね。 平成14年度はそれに費やしてまいりました。2月号のニュースみなさんのお手元に届いておりますか? その中に新しい生涯学習システムの紹介をさせていただいております。 やっと形が出来上がって、理事会でも承認をいただきました。即GOサインということでいただきましたので すぐ実行してまいりたいと思います。 ですから14年度からですね、私が代表者になってから即実践に手をつけたということでございます。 それでも1年かかるんですね。1年というのは長すぎるのでその回転をもうちょっと早く処理出来るような、 そういう組織にかえていきたいと思っています。それは今後の課題のひとつとしてまいりたいと思います。 そういう形で即実践体制ということになったんですが、中身についてもうちょっと具体的に紹介してまいりたいと思います。 まず問題点ですね、問題点の洗い出しということなんですけど。私の考える国民から見える職業になぜならないのか という問題点。大きくいろいろありますけど一番大事なことだけ2つ指摘させていただきたい。 ひとつは、我々は自立していないということですね。それともうひとつは、我々は目立とう精神が足りない。 この2つに集約したいと思います。まだありますよ。他にありますけど一番大事なこと。 問題点として、自己が無い、自立していないということですねこれが1点。 それから目立とう精神が足りないんじゃないかということ。この2つですね。 この2つを具体的に補足説明させていただきます。自立していないというのは診療放射線技師法の中にも いろんな規定がありますけど、職業そのものが法的に自立していない。自分で何も決められない。 そういう職業であるということ、これは明らかです。ですから技師法を変えなきゃいけないんですよね。 基本的にはそうなんですけれども技師法を変えていくためには何が必要か?そういう議論になってくるんです。 例えばですね我々はみんな診療放射線技師だと自分で思っている、家に帰っても診療放射線技師だと思っている、 と思うんです。その中で今日もこういう場でみなさん自分は放射線技師だと思っていますよね。 診療放射線技師法で縛られている、自由を奪われている、自立を阻止されているというのは臨床の現場だけなんですよね。 臨床の現場では何から何まで自分で決められない、全部お伺いを立ててやってこれでやりました、よろしゅうございますか? というそういう職業なんですね。これはみなさん衆知のことだと思います。現状はちょっと違いますけどね。 かなりはみ出た部分がありがたいことにありますけど、だけどですね家に帰っても診療放射線技師、こういう所に来ても 診療放射線技師。それはですね診療放射線技師法に何も縛られていないんですよ。 今日は少なくともですね自由に自分の発想で発言して考えて行動していいんですね。 これは都道府県技師会としても同じことだと思います。会の発想で自由にいろんな事業が出来るんです。 にもかかわらずですね臨床現場を離れても縛られているんです、みなさん。それが非常に大事なことです。 だからその呪縛にかかっているというか催眠術にかかっているというかそういう状態なんですよ。 だから職場の中と私的な私的というか職場を離れたそういう場での使い分けが下手なんです。 |